飲食店でワインを飲むのは損?
人生を変えるワイン学 第26回
◆飲食店でワインを飲むのは損?
では、飲食店でワインを飲むと損をすることになるのでしょうか?
私は、仕事柄、飲食店でワインメニューをみるとほとんどの販売価格がパッと頭に浮かんできます。だからといって、飲食店でワインを飲むことが損をしているとは思いません。
確かに家で飲むのは安上がりですし、気兼ねなくリラックスして楽しめます。しかし、飲食店ならではのメリットもあります。
それは、雰囲気を味わえるということ、プロの料理とワインを合わせられること、あまり手に入らないワインや珍しいワインに出会えること、自分の考えとは別の新たなマリアージュの発見がある、などです。
グラスワインの多いお店では1皿に1種類はもちろん、1皿に2種類だって合わすことができます。家では、十種類近くのワインをいろいろな料理と合わせて飲み比べするのは難しいですよね。
家飲みには家飲みのメリットがあり、飲食店には飲食店のメリットがあるのです。
◆3000円台なら南半球かスペイン、カリフォルニア
普段、レストランやバルでワインを注文するときの予算は、だいたい5000円以内が多いですよね。飲食店の方から、お客様が一番飲まれる価格帯は3000円~4000円とよく聞きます。2000~3000円台でもおいしいンはじゅうぶんありますが、目安としては、4000円くらい出すと“おいしい”に当たる確立は高く、5000円でしたらハズレの確立はほとんどなくなります。
でも、できれば3000円台まででおいしいワインを飲みたいですよね。どのように選べばいいのでしょうか?
それは、国・地域で選ぶことです。チリ、アルゼンチン、南アフリカ、スペイン、オーストラリア、カリフォルニアのワインを選びましょう。
なぜなら、コスパの高いワインが多いからです。これらの地域はブドウの栽培やワインの醸造に適した、天候に恵まれている土地なのです。気候が乾燥しているので凝縮したブドウが育ち、果実味たっぷりの飲みやすいワインになります。それに、土地代も人件費も安いので、コスパのいいワインが生まれるのです。
逆に、5000円以下のワインを注文する場合は有名産地のワインは避けましょう。フランスではボルドー、ブルゴーニュ、シャブリ。イタリアでは、キャンティ、ソアヴェなどです。最高品質を造る産地なので、あまり安い価格のものだとクオリティがよくない可能性が高いからです。
でも、どうしてもフランスやイタリアワインが飲みたいというときには、南の暖かい地域のワインを選ぶといいですよ。南仏やシチリアのワインがオススメです。